シオニズムの解剖
著者名 | 合田正人(共著) |
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出版社 | 人文書院 |
出版年 | 2011年 |
内容説明
近代ヨーロッパの「ユダヤ問題」から今現在につづく「パレスチナ問題」まで
ディアスポラとイスラエルのねじれを読み解き近現代世界の民族紛争の理解に多くの視点を示す。
近年、ユダヤ人の歴史や文化に関する研究は日本でも発展の一途を辿っているが、シオニズムを中心に扱った研究となると意外にも少ない。現代イスラエ ルをめぐる諸問題については、中東紛争やパレスチナ人が置かれた深刻な状況に対する関心の高まりから、それ相応の理解が進んでいるのはたしかだ。しかし、 イスラエルという「ユダヤ人国家」を生み出した思想・政治運動としてのシオニズムに関する一般の理解は、その歴史的重要性にもかかわらず、いまだに初歩的 な段階に留まっていると言わざるを得ない。そこで本書が第一の課題とするのは、シオニズムをとりまく諸問題を多角的に読み解き、近現代のユダヤ理解におけ るこうした不均衡を問い直すことである。(本書「序章」より)