リポート:クロージングシンポジウム「哲学はどこへ」
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3年間にわたって企画された「現象学の異境的展開」のクロージングシンポジウム「哲学はどこへ――現象学の展開」がおよそ40名の参加者を得て、3月14日に行われた。 (左から合田、美濃部、志野) シンポジウム前半では、明治大学から合田、美濃部、志野の3名がそれぞれ「Le premier venuとは誰か――パシェ、レヴィナス、ジラール」「フィヒテ1804年の『知識学』における現象概念」「直観と直覚――西田幾多郎と牟宗三」のタイトルで発表を行った。 合田は、ピエール・パシェのボードレール論のタイトル、Le premier venuには、「最初に訪れ…
3月17日クロージングシンポジウム「哲学はどこへ―現象学の展開」開催のお知らせ
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2015年度より3年間の予定で進めて参りました、明治大学人文科学研究所総合研究「現象学の異境的展開」の最後のイベントとして、以下のとおり、3月17日(土)、明治大学駿河台キャンパスで、シンポジウム「哲学はどこへ――現象学の展開」を開催することになりました。詳細は以下のとおりです。御関心のある方はぜひ足をお運び下さい。 「哲学はどこへ――現象学の展開」 2018年3月17日(土) 明治大学アカデミーコモンA2・3会議室(明治大学駿河台キャンパス) http://www.meiji.ac.jp/koho/c…
レポート:イスラーム思想と現象学
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「現象学の異境的展開」は、ドイツ・フランスを震源地とする現象学が世界各地に伝播することで生じる新たな出会いや葛藤について、積極的に研究を行ってきた。その一環として、イランにおけるハイデガー思想の影響について詳しいビジャン・アブドルカリミー氏とバフマン・ザキプール氏を招聘し、2日間の講演会を行うに至った。アブドルカリミー氏はこのテーマについてイランにおいてプロジェクトを組織し、すでにその成果をペルシャ語で発表されている。1日目は20名前後、2日目は10名強の参加者を得ることができた。 アブドルカリミー氏には、21日に「Heidegger and the revival of the Easte…
1月21日、22日講演会「イスラーム思想と現象学」開催のお知らせ
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本日(22日)、降雪予報のため明治大学の5限以降の授業は休講となりましたが、講演会は予定通り開催いたします。 第5回講演会として、「イスラーム思想と現象学」を開催します。 イスラーム自由大学(イラン)より、ビジャン・アブドルカリミー氏をお招きし、2日連続で御講演いただきます。アブドルカリミー氏は、ハイデガー研究者であると同時にイスラーム思想にも通暁した研究者です。1度東洋大学の招聘で来日されたことがあり、今回は2度目の来日です。ペルシア語で書かれた近書に、Heidegger in Our Historical Horizon (2015), The End of…
レポート:「江戸の身体観・死生観~現象学的アプローチ~」
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8月26日に、梶谷真司氏(東京大学)と本村昌文氏(岡山大学)をお招きして、「江戸の身体観・死生観~現象学的アプローチ~」と題した講演会を行った。 「言葉の中の身体―医学書・養生書における東洋的身体の多層性」と題された梶谷氏の発表は、まず異文化の身体に対する現象学的アプローチの可能性について検討したのち、江戸期の医学書・養生書から日本の身体観の特徴について論じるものであった。梶谷氏は、まず理論的身体と実践的身体に分けて考えることを提唱された。その上で、直接的経験から出発する現象学は、実践的身体に関わり、その異文化性を描き出すことができるだけでなく、理論的身体およびその異文化性に対し…
8月26日講演会「江戸の身体観・死生観~現象学的アプローチ~」開催のお知らせ
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8月26日に「江戸の身体観・死生観~現象学的アプローチ~」と題した講演会を行います。 『シュミッツ現象学の根本問題―身体と感情からの思索』(京都大学学術出版会)の著作などがあり、江戸期の医学書・養生書についても精力的に研究されている梶谷真司氏と、『いまを生きる江戸思想―十七世紀における仏教批判と死生観』(ぺりかん社)の著作などがあり、現代医療における介護や看取りの問題にも取り組んでおられる本村昌文氏をお招きします。現代の身体観・死生観を江戸期の思想から見直す格好の機会になるかと思います。夏期休暇中の開催のため、早めに告知いたします。御関心のある方はぜひ御予定に入れていただければ幸…
レポート:8月7日シンポジウム「東アジアにおけるレヴィナス」
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8月7日、中山大学(中国・広州)との共催で、国際シンポジウム「東アジアにおけるレヴィナス」を開催した。冒頭、合田氏は、1980年代に自身がレヴィナスを研究し始めた頃は、ほとんど周りにレヴィナスの名を知る人がいなかったこと、それが今日、日本でも中国でも盛んに論じられる対象となっていることを指摘し、なぜ東アジアでこれほど読まれ続けているのかと問いかけ、本シンポジウムの意義を説明した。また、自身がかつて沖縄でレヴィナス研究に没頭していたこと、今回のシンポジウムを当初沖縄で行う計画であったことに言及し、沖縄の持つ地政学的な意味についても強調された。 (左から、合田正人氏、朱剛氏、王恒…
8月7日国際シンポジウム「東アジアにおけるレヴィナス」開催のお知らせ
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8月7日に中山大学哲学系との共催で、国際シンポジウム「東アジアにおけるレヴィナス」を開催します。中山大学は中国における現象学研究の一大拠点となっている大学です。今回は、レヴィナス『全体性と無限』の中国語訳を昨年上梓された中山大学教授の朱剛氏、レヴィナス研究者で『時間性:自身与他者 従胡塞爾・海徳格爾到列維納斯(時間性:自己と他者 フッサール・ハイデガーからレヴィナスへ)』の著作もある南京大学教授の王恒氏、そして今回のイベントの中国側コーディネーター役を務めてくださった中山大学准教授の廖欽彬氏を明治大学にお招きします。詳細は以下のとおりです。御関心のある方は、ぜひ足をお運びください。 …
5月24日、25日、リチャード・コーエン氏講演会のお知らせ
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下記の日程で、レヴィナス研究の第一人者リチャード・コーエン氏(ニューヨーク州立大学バッファロー校教授)の講演会を行います。 主催は明治大学国際連携本部で、当プロジェクトの「現象学の異境的展開」が共催として関わっています。詳細は以下のとおりです。 5月24日(水)18時~20時半 「レヴィナスとスピノザ」 明治大学駿河台キャンパスグローバルフロント4031教室 5月25日(木)13時半~15時10分「ユダヤ哲学とは何か」 明治大学和泉キャンパス第二校舎第五教室 …
レポート:3月1日ワークショップ「現象学と東アジア」
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日本より一足早い春の訪れに迎えられ、3月1日に香港中文大学日本語学科との共催でワークショップ「Phenomenology and East Asia」を開催した。ワークショップは、9時から途中1時間半の昼食休憩をはさんで18時まで行われ、充実した一日となった。香港中文大学は授業期間の只中で、教員も学生も時間をやりくりして参加していただいた。なお、発表、質疑ともすべて英語で行った。 第一部 当初の順序を変更し、平岡、犬飼、ホイ氏の順で発表した(以下、日本側参加者は敬称略)。 平岡は、レヴィナスのフッサール解釈に依拠しながら、表象に対抗する現象学的記述の意義を論じた。現象…